2025/06/04 21:26

ご覧頂き有難う御座います♪


現在開発中のモデルが完成すると私が考えるFender ストラトキャスターの1960年代の音を全て網羅することになります。
各年代ごとの音に向き合い自分の中にトーンを落とし込んできました。
そこで気が付いたのがグレイボビンに対する誤解です。
私自身数年前に1965年製を購入出来る機会に恵まれたのですが、ネックの握りとブラックボビンと異なるトーンが当時自分が持っていたヴィンテージストラトのトーンとマッチしなかった為見送った過去があります(当時はまだピックアップを造るなど微塵も考えていなかった)。

今現在グレイボビンを2機種完成させましたが私自身がそのトーンの魅力を理解出来ていなかったと痛感しています。
多くの皆様も同様だと思いますが身近にヴィンテージが聴ける、弾ける状態、ましてや年代別に揃っているなんて事滅多にありません。
そこで比較して初めてお互いの特徴を認識出来るんだと思います。
冷静に考えるとストラトの名手の多くがグレイボビンを愛している。ジミヘン、ブラックモア、イングウェイ、クラプトン、ギルモアなどなど・・・・。アンプの進化、エフェクターの登場、そしてプレイヤーの技術の向上など目まぐるしく変化した時代だったと思います。
でも気が付いてしまったんです。この変化にはグレイボビンだから対応出来たと言う事を。
ゲインが高くなりプレイテンポも上がり、トリッキーなフレーズも増えるのですがブラックボビンの飽和したような低域やエアー感を纏った出音だとプレイヤーの表現力に追い付いて行けなかったと思います。

クリアでありながら芯のある唸るような低音、倍音を纏いながらピッキングに食いつくように反応する高域。
使えないと言われがちのブリッジピックアップもファズやディストーションでアグレッシブに攻められるサウンドに。
それでいながらボリュームを絞れば鈴なりが響くクリーントーンが得られる。
1960年代中期~後期は正直もっと評価されても良いと思います。
現在の評価は勿論ピックアップだけではなく指板の変更、塗装の変更なども加味した「グレードダウン」的な要素を加味したギターを「資産」と捉えた時の評価。でもトーンだけ切り取ってみれば(楽器である以上一番大切な要素かと)ブラックボビンに劣る事はないと思います。

もし皆様が60年代後期のストラトを見つけたら是非試奏してみて下さい。
多分このブログを読んで下さっている方ならきっと新たな発見があると思っています。

長文にお付き合い頂き有難う御座いました!